はじめに
学校の漢字ドリル、子供が嫌がりませんか?
我が子は漢字の宿題、すごく嫌がりました。時間がかかりました。泣きました。
試行錯誤の末、専門医療機関を受診し、文字の読み書きを認識しにくい「脳機能の特性」があることがわかりました。
詳細はこちら↓をご参照ください
それ以来、本人の特性にあった学習方法を意識しています。
その結果、苦手だった漢字に少しずつ取り組めるようになってきました。
今では
学校の漢字の宿題は苦手でも、子供の取り組みやすい漢字の学習方法が必ずあります。
この記事では、苦手な漢字が取り組みやすくなる学習方法をみつけるために以下の2つを中心にまとめます。
- 本人の「学習タイプ」を知る
- 「個別要因」を探る
子供の「タイプ」「個別要因」に合った勉強方法、を探るヒントになってもらえたら嬉しいです。
得意な学習タイプを知ろう:「継次?」「同時?」
知能検査と学習習得度を測るK-ABCⅡで、子供の得意な学習スタイルが見つかります。
検査をうけていない方は、日頃の子供の勉強や遊びの観察の中でざっくり予測してみてください。
情報処理能力によって、得意な学習スタイルは大きく2つに分類されます。
- 継次タイプ
- 同時タイプ
継次タイプ
- 順序立てて考えるのが得意
- 部分→全体
- 「耳」から得た情報や「言葉」を手掛かりにすると良く理解できる
- 順序性をふまえた教え方をされるとよく分かる
- 順々に説明される学校の授業スタイルについていける
- 耳を使って「唱えて」覚える方法が合いやすい
同時タイプ
- 結論から伝える。それから詳細。
- 全体→部分
- 「目」からの情報が入りやすい。
- 記憶、理解する際は、絵や図、動画、見本があると理解しやすい。
- 全体(答え)をまず見せる。それから部分(一部)隠したクイズ形式が理解しやすい。
【お子さんは、ざっくり、どちらのタイプだったでしょうか?】
学習タイプ【事例:小6男児、同時タイプ】
検査等の結果もふまえ、小6男児である我が子は、検査の結果、「同時タイプ」でした。
医療機関でアドバイスしてもらった本人の特性に合った学習方法は主に4つ。
- 得意な「視覚」能力を生かす。
- 苦手な「耳」能力に配慮。全体→部分。結論→詳細。
- 苦手意識のある「読み」を強要しない。
- 苦手意識のある「書き」を強要しない。
学習の際は、できるだけ本人の得意な「視覚」の能力を活用する。イラストや動画、タブレット、図など、「目」から理解しやすい配慮があると頭に入りやすい。
説明は結論から。部分的なことからクドクド説明しない。課題では、全体像がわかってからの部分の理解になる工夫があるといい。例えば、虫食い漢字クイズのように全体を見せてから、一部を隠して漢字を完成させる方法。
口頭で説明する時は、出来るかぎりイラストや動画など、「目」からも情報が入るよう配慮。
苦手意識のある「読み」課題は、本人に強要しない。漢字や長文読解、国語の教科書等、親がまず読んであげる。
苦手意識のある「書く」課題は、本人に強要しない。学校の漢字の宿題等、量を必要最低限に調整する。書く以外の方法で漢字を覚える方法を模索。スマホやipad、パソコンなど代替手段も利用する。
個別要因を知ろう
漢字の「読み」「書き」に必要な機能
漢字の読み書きのために必要な機能はたくさんあります。
そのたくさんある機能のうち、子供は漢字の読み書きの「どこ」で困っているのか。
- 文字を書くための姿勢がきちんととりにくい。
- 視力に問題。
- 視力はあっても、目で認識しにくい文字がある。
- 語彙を理解することが難しい。
- 手先が不器用。
- 文字を模写するとき、記憶にとどめにくい。
- 文字がたくさんあると、どこに注意を向けていいか混乱するのか 等々
漢字の読み書きに苦労する原因は、けっして1つではないと思います。複合的な要素がからみあった結果、「漢字が苦手」。
文字を読み書きする要素の「どこ」でつまづいているかが具体的にわかれば、「どうすればいいか」を知るヒントになりますもんね。
個別要因【事例:小6男児】
小6男児、我が子の場合も、上記の個別要因がいくつか重なっています。
その中でも特徴的なのは、言葉では理解できて表現できることも、見本なしで「文字」で書くことが苦手なことです。
- カタカナで「ホタテ」と書くところ→「ホタ手」と書く。
- カタカナで「ケチャップ」と書くところ→「けちゃっプ」と書く。
- ひらがなで「たいそう」と書くところ→「体操」と漢字で書く。
漢字の宿題が嫌で泣いていたのは、「漢字」ももちろんですが、「ひらがな」「カタカナ」で戸惑うことが多かった可能性もあることが最近になってわかってきました。
それでも。本人なりに実は覚える工夫をしていました!!!
↓
↓
カタカナの「テ」を文字のまま覚えず、ビジュアル化〠して覚えようとしているんですね。
同時タイプは「ビジュアル化」で置き換える工夫、言われなくても自分自身で自然と試行錯誤してやっています。
「得意」を使って「苦手」を覚えようとしています。
たくましいですね。
漢字が苦手?【心が軽くなる魔法の言葉】
漢字が苦手なことに対して、ある専門の方から頂いたアドバイアスです。
私にとっては、心が軽くなる「魔法」の言葉です。
- 漢字を書くことが苦手な子は、無理にさせる必要はない。
- 子どもがしんどいようなら、学校の漢字ドリルの宿題はしなくてもいい。学校側に合理的配慮をお願いしたらいい。
- 本人が友達に漢字ドリルの宿題をしないことで「ズルい」と言われるのを気にするようなら、親が代わりにやったらいい。
- 親が漢字ドリルを代わりにしてあげることは「過干渉」ではない。子供が自尊心が保てる環境をととのえる「過保護」は親がいくらでもしてあげたらいい。
- 苦手を一生懸命頑張らせるより、本人の得意な方法でした方が何倍も伸びる。
- 本人の得意、好きをたくさん見つけてあげる。「得意」「好き」なことをしていたら、いつのまにか「苦手」も克服できていることも多い。
初めてこのアドバイスを耳にした時は、「衝撃」でした。
宿題はしなければいけないもの。そう考えていました。
でも本人が苦手な宿題は「しなくてもいい」のです。
漢字は「書く」以外の方法で覚えればいい。
専門家の立場の方から苦手な漢字の書き写しの宿題を「しなくていい」と言ってもらえて、心が救われた気持ちでした。
まとめ
この記事では、苦手な漢字が取り組みやすくなる学習方法をみつけるために、以下の2つを中心にまとめした。
- 本人の「学習タイプ」を知る
- 「個別要因」を探る
学習タイプはざっくり2つで「耳」タイプ、「目」タイプです。
個別要因は様々ですが、わが子は特に「文字」でひっかかっていたようです。
子どもには「性格」があります。それぞれの「得意」「不得意」があります。情報処理能力の違いも「個性」「特性」の1つです。
→ぜひ試してください!
→ぜひ試してください!
いろいろ試して、子供の反応を観察して下さい。そして本人に「合う」「合わない」をじっくり見て下さい。
楽しく、もしくは嫌がらずに取り組めている学習、それは、その子供に「合った」学習方法だった、というだと今は思います。
苦手は誰にでもあります。
漢字を「書く」のが苦手なら、「書く」以外の方法があります。
「なんとか子供が漢字を書けるようにしてあげなくては!」そう考えている母の心が、この記事で少し軽くなってもらえていたら嬉しいです。
次の記事④では、我が家で取り組んだ具体的な漢字学習について紹介します。
【最後まで読んでいただき、ありがとうございました(‘◇’)ゞ】